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清依(きよえ)
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With the moon
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約束は忘れてしまった。
でもその瞳が
澄んでいたことは覚えている。
厚い雲に見え隠れする危うい光。
それは恐れを知らずに輝いていた
あの頃のふたりみたいだ。
夕焼けが
ゆっくり静かに降りて来る。
朱色に染まる
あなたの横顔。
冬の晴れ間ような
柔らかな陽射しのように
穏やかな目で
悲しいぐらいに
傷を隠して微笑まないで。
頬を撫でる冷たい夜風が
終わったのだと教えてくれた。
許される事はなかったけれど。
互いを苦しめる記憶の重圧。
もう降ろしてもいいですか?
冷たく見下ろす裏道の月。
紫の憂鬱を握り締めた夜。
愛してない、
わけじゃないけど
愛してる、
と言えるほど
背負っているものは軽くはなかった。
揺れる夕陽が美しすぎて
滲む瞳を冷たい風のせいにした。
いつかどこかで
見たような景色。
あなたはもう
私を忘れてくれたかな。
綺麗なものだけこの瞳に映して
緩やかに温かく呼吸がしたい。
それでも見えるのは冷たい色ばかりで。
聞えるのは哀しい音ばかりで。
凍えた指を優しく繋いでくれるのは
それは温かく包む嘘。
それはとても綺麗な罠。
冷たい世界を優しく優しく包む毒。
変われない過去を嘆いても
それはもう
ただ哀しいだけだから。
私が捨ててしまった約束。
あなたは今でもその場所で
迷いもせずに
戸惑いもせずに
光と音を追いかけて。
悲しむことさえ忘れたように。
青い 蒼い 広がり。
こんなにも果てしない広がりなのに
決して交わる事はない。
空と海を繋ぐのは
切ない星の涙だけ。
届かない手。
消え入りそうな儚い姿。
朝焼けに溶けて行ったのは
寂しげな笑顔と
微かに感じた懐かしい香り。
また必ず会えるよね。
瞳を閉じるたび
ずっと待っているから。